大好きな能楽鑑賞から料理まで、日常さまざまの記録
by ginsuisen
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綾鼓 老人の恋@セルリアン
6月の最終土曜日30日は、セルリアン能楽堂の企画公演。
「綾鼓」でした。
お約束の馬場あき子先生のお話がおもしろかったですー。
この能は、老人が身分違いの姫に恋心をもってしまったという話。
歴史上の史実ではなく、完全フィクションだそうです。

ー御簾の中だけで常に過ごしていた女御がある管絃の宴で姿を見せます。
それを一目見てしまったお庭掃きの老人は恋慕に明け暮れます。
そのことを知った女御、桂の枝にかかっている鼓を打てば、御所に聞こえれば、
再び姿を見せてあげる・・
恋の心を奪われた老人は一心に鼓を打ちますが、綾絹張りの鼓は鳴るはずもない、
ならぬ鼓=ならぬ恋だったのです。
それを知った老人は怨んで池に入水する。
老人が入水したことを報告を受け、老人の執心を慰めるようにと臣下に勧められて、池辺に至った女御
「波の打つ音が鼓の音に似ているわ。面白い鼓の音ね」といい、たちまち狂気の態に・・
そこに池の中から怨霊となった老人が現れ、「われは魔境の鬼」とばかりに
今度は鳴らぬ鼓をあなたが打ってみよと責めます。
その責めは骨をも砕くほどの地獄の火車の責めにも過ぎるものだった。
そして、女御に怨みの言葉を残して、再び池の中へ戻っていくー


よく似た話にこの綾鼓の原型でもあるのが観世の恋重荷。
人の心には重い恋の話として、やさしい終わり方だとか。
綾鼓は宝生と金剛流の演目で、喜多流には長くなかったのだそう。
それを戦後、昭和27年に喜多実さんがお願いして、新作復曲として土岐善麿とともに創作したのが、
今の喜多流の綾鼓なのだそう。
昭和27年、日本が迎えた新時代の考え方、姿勢が文言上加味されているのだとか。

こんなふうに演目を流派が抱えているんですねー。
喜多流は、後進だから、もってなかったということでしょうか。
その演目を演じるには仁義を切るなんて・・日本的!
そのままもらうのではなく、新作として作るわけですねー。
それだけに、新作として大いに土岐善麿と喜多実さんがはりきったのがわかる気がします。

ところで、老人と貴人の恋は実際にもあって、
藤原時平の娘・・絶世の美女だったらしいです。
この褒子(ほうし)さんを御簾の上がったところで、見染めてしまった、女の人に縁のなかった一人の僧。
90歳に近い僧?が恋をしてしまい、
こちらは悲劇にならずに歌を交わしているのだそう。
ここに詳しくはありましたもう一つ、ここにも。馬場先生いわく、かわした歌に注目とのこと。

さてさて・・恋ねー。
源氏物語でも、夕霧、薫、そして悲劇の柏木もみんなふだんきれいなお姫さまを目のあたりにしていない(というか、平安の時代の女たちは長い髪で隠し、夜も蝋燭や月明かりで素顔を相手の男に見せるだけのくらし。夫婦や愛人になってやっと・・素顔を見せるくらい)ので、御簾の中からちらfりと見えただけで、好きになってしまうのだから・・いやはや
老人とてそういうことなんでしょうねー。

しかし、この綾鼓の老人、身分違いゆえにバカにされ、こけにされて、怒りまくってしまったわけだけど・・
女御もいけないですねー。
からかっているわけで・・まさにかぐや姫状況。
相手が帝クラスだったら、こんなことはなかったのでしょうね。
入水後の波の音が鼓の音?そりゃ怒りますねー。
でも、怒りスギ?好きな女御を殺ししてしまうんですもの。
ま、池の中、怨霊の世界に引きづり込んだわけで。。念願かなったのかなー。

この激しさを友枝さん、もうそれは恐ろしく激しかったです、こわかったです。
隅田川での母の愛の怒りとは違う、
純な心を踏みにじった怒りでした。

ところで、この日、早くついて、2階の陳さんのレストランでランチしましたー。
並んで待つこと10分。ランチ人気です。
麻婆豆腐・・辛くておいしかったです。食べすぎないように、ご飯なしで、なるべく食べて、ご飯のお代わりをしないようにしました。
しかし・・お茶を別に頼んだら、茶芸店でないのに1800円。またもや無駄使いの私でした。
ま、凍頂烏龍はかなりのものでしたが。
こんどから気を付けないと・・でも、中国料理店なんだから、普通にお茶くらいだせばいいのに!
麻婆豆腐の辛さは水では助長されるんですよねー。
杏仁豆腐は、かなり美味しかったです。
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by ginsuisen | 2012-07-05 00:48 | 感激・舞台
日経能 隅田川 母の愛
お能の感想が遅れております。

毎年の日経新聞主催のお能行きました。
6月7日 @国立能楽堂 中正面での鑑賞
今年は狂言は、万作師、石田幸雄さんの文荷。能は隅田川でした。

隅田川・・何回もみたけれど・・印象的だったのは、友枝さんが2日連続で、子方登場と子方無しの演出をそれぞれ見せてくれたこと。
子方が登場するのも哀しいけれど、子方無しは、いっそうに、母だけに見える子を追いかける姿が印象的でした。

さて、今回の隅田川
驚きました。
激しいのです。
船の中で、子供の名前を聞き、傘をバサッと落とし、膝をガクッと折るところ・・音がするほどでした。
そして、船頭に迫り、返せというとき・・
欣也さんの両肩をつかんで、激しくゆすり、「返せ~返せ~」そのすさまじさに驚きました。
舞台を見たのは、
もう何日も経っていますが、光景は忘れられません。
ふと思うと、その母の姿は、津波で失った家族への想いを伝える東北の人と重なることに、
今頃気づきました。

友枝さん・・そんな思いだったのでしょうか。

この返せ・・以前に、拉致問題が沸き起こっていたときに、父が子供に会いたい思いを伝える、確か、花月でも感じました。あれは、いつだったかなー。思い出したら、書きます。
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by ginsuisen | 2012-07-04 16:03 | 感激・舞台
夏の能 セルリアン能楽堂 友枝さんの班女と通小町
このところ、すっかり能の感想を書いていない。
頭の中はすでに忘却100%。セルリアン 能楽座 ダイナース能と3回も行っていたのですが。

ひとまず見に行ったものを書いておこうと思う。

●恒例真夏 7月セルリアン能楽堂の友枝さん2本建て
7月26日@渋谷セルリアン能楽堂

いつもながら真夏の昼間と夕方の番組にご出演。
それも第一部が終わって、30分もしないうちには二部の開場。
観ているこちらでさえ、頭の切り替えができないのに・・
友枝さんという方のすごさを感じる一日だ。
毎年、私はというと、熱暑の中に到着し、突然の冷蔵庫のような地下の能楽堂に入り、
どーんと沈没してしまうのですが、今年はなんとかもちこたえました。

解説は馬場先生。
馬場先生はいつもお若い。解説に知っていることを情熱を込めて、たっぷり盛り込んでくださる。
第一部の班女は、楊貴妃と同じように、寵愛を受けながら、吉田少将と別ればならなかった遊女花子の話だ。
この花子は、狂言の花子にも通じていたりするのかなーと思ってみているとおもしろい。

私は、班女は初。

遊女花子は、野上の宿で吉田少将から形見として取り交わした扇をながめて物思いばかりにふけっているので、
宿から追い出されてしまう。そして、あてどもなく物狂いの姿になっていく。
そこへ、再び、東国からの帰途、立ち寄る吉田少将。宿を訪ねても花子はいない。
都に戻り、下賀茂神社に参詣すると、今は班女と呼ばれる物狂いとなった花子がいる。
花子は神社に祈っていたのだ、少将との再会を。
少将の従者から舞い狂えといわれ、舞うのです。

さて、その花子が友枝さん、美しく可憐なことこの上なし。
せつない恋心を舞う姿は、もう陶然。
相手の少将は閑さん。
二人が楊貴妃の故事と同じく形見の品・花子は扇ですね。これを閑さんがホラと取り出し、見合わせ、再び取り交わしたときの、なんとも晴れやかな閑さんの頬がポッとするような温かい愛の満ちた空気に包まれていました。うーん、にくいわー。

その前の萩大名、万之介さんがお元気でよかったです。
それと竹山さんも立派になられて・・とオバちゃん見所気分で見ました。
この萩大名の和歌。いいですよね。こういう風流が室町の武士たちのたしなみだったのだなーと。
班女にもたくさんの和歌。このあたりを身につけないと・・と思うのですが、
なかなか私には無理のようです。

1時開演が3時40分に終わり、4時には第二部開場、開演4時半です。
蝋燭能ということで、狂言が終わって、休憩後に火入れです。見所のほうもあわただしいのですから、
演者の方々はさぞ、と思います。

狂言は清水。万作師がシテ、主は万之介さん。絶妙コンビの心地よい清水。
滑稽さの中に、相手との長い関係が見えるこの清水、結構、好きです。

さあ、能は、通小町。
小野小町への愛を伝えた深草少将は、まるでかぐや姫への求婚者のように、
100日通いを求められ、雨の日も風の日も鬼の出るような暗い夜も、欠かさず通い続け、
あと一日・というときに、故郷の母が病となり、やむを得ず帰ります。
小町はそれをゆるせずに許さなかったのです。

毎日木の実や薪を持ってくる女がいる。僧は女の素性を今日こそ問いただそうとします。
木の実を語るに、歌や故事を表現し、自らを名乗りません。
当時は、私は○○ですと女からは言わないのだそうです。ほのめかすのが品があるということです。
小野小町であるとわかるような歌を詠むんですねー。風流ですね。

小町をとむらっていると、かわいらしい若き小町が登場します。
大島輝久さんです。かわいい、きれいな小町!大島さんの揺るがない姿勢が気品を感じさせます。
そこへ、シテ深草少将・友枝さんがやっと登場です。
99日も通ったのに、許さなかった女が一人成仏するなど許さない「さらば煩悩の犬となって、打たるると離れじ 恐ろしの姿や袂を取って ひき留む~」地獄の底までも連れていくぞとばかりに、
後ろから袖を取って、肩をぐっとつかんだときの瞬間がすごかったー。煩悩の犬・なんですね、あれが。

そして、99日の通いを舞いで見せます。
その間の、小町は、自らのわがままが、男をここまで狂わせてしまったことに反省をしていたのでしょうか。
かわいい顔が次第に後悔のような表情になっていたはずです。

僧・閑さんは、二人とも祈って成仏させてくれました。

うーん、一つ。情欲は死後も強いわけですね。
二つ、男って、母の元へ行くのね、あと一日で99日も通った女への望がかなっても。
三つ、これは私の経験?なんちゃって、嫌いな人は100日だろうと1000日だろうとイヤだもんね。
なんちゃって。テヘ。

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by ginsuisen | 2009-08-26 09:37 | 感激・舞台
友枝さんの邯鄲 日経能
見にいっていたのに、なかなか書けないでいました。
日経新聞社主催の能の会。6月9日火曜日@国立能楽堂 18時~
今年は、能は邯鄲、狂言は萩大名がテーマ。
初日は、狂言が野村万蔵家に、能は友枝さん。
2日目は、狂言は万作家、能は浅見さん。
こういう催しはうれしいが、両日見に行く気力はなし。
結局、というか、もちろん友枝さんだけにする。
しかし、あまりのすばらしさに、驚愕し、なかなか感想が書けないでいた。
おそらく、ずっと胸に残るのではないだろうか。

それは、自分の感じ方も変わったせいかもしれない。
また、自分を取り巻く環境の変化かもしれないが・・
かなり、来し方、行く末をズドンと感じてしまった。

友枝さんの邯鄲を見たのは、一昨年、2007年の5月の友枝昭世の会。
あのときは、確か、がんばって、正面席だった。
でも、脇柱とかぶり、今一舞が見えなかったっけ(もっともチケットが買えただけ文句なしの友枝プラチナチケットだ、文句はいっては勿体無い)。

今回は脇正面からの席。一畳台がしっかり正面に見えます。

盧生が出てくる。若い、悩める顔だ。これは前回同様だが、
なぜ、邯鄲の地に来たのだろう、その因果を考えてしまった。
それは「村雨がふってきて・・」と、傘の出という特殊は小書き演出での登場。

この傘が美しかった。唐傘は16本の骨だろうか、こまかく、縁先は、折りかえっているような白い傘。
傘のせいで、顔の表情が読み取れないが、悩める顔はよくわかる。
宿の主人が今回は、なんとなくしたり顔風なのがよかった。
また若者が来た来た・・今日もこの枕でも貸してやろうかという感じだ。

盧生が枕に伏せたとおもったところから、舞台転換の早いこと。
これは、疲れていても寝ていられない。
見張ってないと大変。

勅使が来て、王になる人だと告げてから、盧生の顔がだんだん変わってくる。
いや、変わってくるのではなく、変わって見えるのだ。
威厳のある王に、そして、覇王に、そして、老いていく王に。
喜びの舞・一畳台の舞は、それはそれは優雅でした。
(やっぱり、邯鄲は脇が美味しいのかも)
橋掛かりでの舞・天下国家を見下ろすゆとり。

しかし、子方以下臣下が退いてからの動作の速いこと、速いこと。
一畳台に飛び込んで、あっという間にもとの、寝姿になる。

そう、それは、粟の粥が炊けるほんの一睡。おそらく20分か25分だろう。
米が炊けるのは、どんな量でも20分はかかる。

目覚めた盧生の顔は、もう王ではなかった。

また、来るようにという宿屋の女主人。

また、人生に悩んだら、一睡の夢を見においでということだろうか。

今、ここにいる私の現実。
かつての遠い日のことは夢だったようない気がするときがある。
子どもたちの幼い日々、父に誘われて、海辺の家に行った日々、
何もかも、人生とは、夢のような・・
そして、今、老いた母と食事をする。これも一睡の夢で、
この先にはもっとすごい現実があるのではないかと思ってしまう。

さあ、明日の現実は、またはかない夢のように過ぎていくのかもしれないけれど、
過ごさねば。。

そんなことを観劇後の今まで思っていました。

邯鄲・盧生のその後を知りたい。

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by ginsuisen | 2009-06-24 10:53 | 感激・舞台
道成寺の舞台 思い出 友枝さんのあれはいつ?
井上真也さんの道成寺
ほんとうに立派な披きの舞台だったと思います。
そりゃ多少ね、後場になってのすさまじさがちょっと欠けてはいたかもしれませんが、
昭世さんのあの娘の哀しさをちゃんと受け継いだ、友枝家の道成寺(ごめんなさい、他の喜多流のを見てないのよねー)を継いでいたと思います。

あれは、いつだったのだろう、友枝さんのあの衝撃の道成寺は・・と思って、
調べてみたら、ブログを始める前だったのですね。
ちょうど国立の20周年記念の会だったようです。
それまで、見ていた道成寺への印象は、
執念深い女の怨念の物語と、浅薄に思っていたのですねー、私。

友枝さんの道成寺を見たとき、それがガーンと違っていたことに思い知らされました。

子どものころから、あの人はお前の夫になる人だよといい聞かされてきた少女。
いつ、いつになったら迎えにきてくれるのと鄙びた村で待ち焦がれ、
その間におそらくあったであろう縁談の話もこばんできたのでしょう。
それなのに、あれは・・大人の戯言だったとは。
裏切りへ思い、重ねた年月への思いが、あのような執念になった。

思いつめた友枝さんが乱拍子を踏むときのあのすごさ、ひたひたとした思いが
今も記憶にあります。
そして、鐘から出てきた女は赤い緋袴に白の着物だったと記憶(違っていたらごめんなさい。確か清和さんもそうだったような)。
そして、柱にからみついた姿の哀しい哀しい女・・
初めて、涙がこぼれた道成寺でした。

後に知ったのですが、かつて、友枝さんは道成寺の鐘入りで頭を打ったことがあり、死線をさまようことになったとか。道成寺はそれほどに危険を伴う舞台だったのだそうです。

このときのメンバーがスゴイ!笛は藤田六郎兵衛、大鼓は亀井忠雄、そして、小鼓はこのときが確か初見の成田達志さん。スゴイ重鎮の中での若き成田さんの小鼓にしびれましたねー。
あれからですよね、成田さんが東京にバンバン呼ばれるようになったのは確か。
このときのことがね、成田さんがインタビューで応えています。
なるほど~と思いますので読んでみてください。

私も忘れそうな記憶なので、成田さんのインタビューをここに残しておくことにしました。

で、思ったこと。
こんどの真也さんの道成寺は、そんな縁の成田さんが上手にリードしてあげたのでしょうね・と。

成田さんのインタビュー・・下のほうにある花形能舞台のインタビューからの抜粋があります。こちら→
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by ginsuisen | 2008-11-12 12:43 | 感激・舞台
友枝会 橋弁慶 清水 半蔀 道成寺 大ごちそう
11月2日 日曜日@国立能楽堂 12時開演
急に肌寒くなってきたこの日、いつもより早い12時開演のため、あせってでかけました。

友枝会 友枝喜久夫13回忌追善の会です。
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パンフレットの表紙から裏表紙までは、昭和17年10月4日の友枝喜久夫さんの道成寺。
表紙タイトル左は昭和48年9月28日の半蔀の写真です。
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パンフより
ごあいさつ
「早いもので父の13回忌を迎えることとなりました。
私としては無我夢中の12年間でした。
亡くなったその年に生まれた雄太郎が、雄人と「橋弁慶」を勤め、
父が最期まで気にかけておりました真也(喜久夫の孫)に
誠に未熟ではありますが、「道成寺」を披かせます。
これも偏に皆様方のご支援の賜物と泉下の父も喜んでいると存じます。
今後とも若い者たち共々どうぞご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます」友枝昭世
  
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いつも以上に着物度の高いような見所。満席でしたね。
私は今回は奮発して、正面席の前のほう。
初お能のY子さんと一緒です。

最初は 雄人さんと雄太郎親子の橋弁慶。橋弁慶って、直面なんですね。すっかり忘れていました。雄人さん、いつもと違うくらいの強さを秘めた顔でした。
そして、雄太郎君。あれ、何時の間にこんなに立派な少年というよりは青年になってしまったのというくらいの成長ぶり。まさに、12歳なんですね。
少年らしいあごではなく、もう青年のような顔つきでした。
親子の剣の戦いも、もうちゃんばらではありません。立派な立派な戦いぶりでした。
(来年か再来年は、烏帽子折が見られるのでは・・とオバチャンは密かににんまりいたしました)

狂言 萬さんと万蔵さんの「清水」
お約束の鬼の面をかぶった太郎と主のやりとりですが、
安心のおめでた笑いに、ホッとなります。

休憩をはさんでの能は友枝さんの「半蔀」
ヒャー、ヒャー、美しいのなんの。
前シテ・・うっとりと見ていたらあっという間に 
~面影ばかり亡き跡の立花の蔭に隠れけり立花の蔭に隠れけり~中入になってしまった!
これ、立花供養のときは、ほんとうに花の蔭に隠れたように見えたのだろうな・・・と思いました。(見たのよね~。川瀬さんの立花で、2日続きの半蔀。1日目は六郎さんで赤い蓮花、2日目は友枝さんで、白い蓮花・・だったはず。それはすごい舞台だったっけ)。

後シテの夕顔の家・五条辺りの家の作り物は橋掛かりに置かれます。
しばらくシテと脇の問答の末、
~草の半蔀押開き立ち出づる御姿見るに涙止まらず~と半蔀をあげてシテがでてきます。
これは、もう夕顔が亡くなったことを知っていての、涙止まらずなのかなーと思いました。
(今、ちょうど、源氏物語のカルチャーでは玉鬘の帖。夕顔の縁のものたちは、誰も夕顔が亡くなったことを知らずに何年もお元気かしら、大丈夫かしら、今はどうしてと思っている気持ちで、形見の娘玉鬘を守って過ごしているんですよね確か)
あら、美しい、まさに夕顔の精の友枝さん。
源氏との逢瀬を語り、序の舞です!
あー、うっとりでした。

そして地謡が謡います、これがよかったですねー。力強く、しかも情緒たっぷりで聞かせます。
さすが!喜多流勢力が友枝さんを支えます。

~シテ)折りてこそ、それかとも見め黄昏に
   地)ほのぼの見えし花の夕顔花の夕顔
  シテ)終の宿りは知らせ申しつ
   地)常に弔い
  シテ)おはしませと
   地)木綿附の鳥の音
  シテ)鐘も頻りに
   地)告げ渡る東雲朝間にもなりぬべし
     明けぬ前にと夕顔の宿り明けぬ前にと夕顔の宿りの
      又半蔀の内に入りて其の儘夢とぞなりにける

終わってしまった。一噌仙幸さんの笛、柿原さんの大鼓、小鼓は曽和さん(ちょっとやわい感じがしたけど、あんな感じ?)もよかったわー。

そして、休憩をはさんで、道成寺。
井上真也さんの披き。道成寺は能楽師にとって成人式ともいえるのだとか。
そして、喜多流ではこの道成寺を披かないと石橋を勤めることができないのだそう。

ワキは宝生欣也さん。笛は幸弘、小鼓は成達。地謡は喜多流青年団。でもって、鐘後見は友枝昭世さん。すごいメンバーが支えます。
ワキが出て、鐘が釣られ(萬さんのところの鐘釣りは始めて。あれ、千作家のように橋掛かりの途中で一休み。これ、萬斎さんのところはあったかなー)、さあ、シテの登場です。
緊張しました~。
揚幕が上がり、里の女が思いつめて立っています。
あー、大丈夫、とても落着いていました。
真也さん、緊張すると扇を持つ手がふるえることがあるのですが、そんなそぶりはありません。
しっかりと道成寺、真砂の庄の娘になっていました。
思いつめて思いつめてやっと寺につき、
鐘に取り付かねばと思う娘。
鐘入りまでの乱拍子・・成田さんがリードします。その声の吼え方のすごかったこと。
これがまた、見所も舞台も一体となって緊張の連続。
それはもう呼吸困難に陥りそうでした。
鐘に見事に入ったとき、ほっとしたのは私だけではなかったのではないでしょうか。
後シテ、大蛇となった娘は激しく戦いますが、哀しくも脇僧の祈りに折れ、日高川へと帰っていきます。ここまでのお稽古、鍛錬に拍手を送りたくなりました。
めでたい披きだったと思います。
見所が一体となって、真也さんを応援しているような舞台だったと思います。

こうして、芸を継ぎ、芸を連ねていく大変さに胸打たれた思いがしました。

ちょっと興奮した私たち、当然、乾杯したくなり渋谷まで流浪したのでした。
沖縄料理食べました~

帰宅したら、冷蔵庫が故障!!その後の修理までの日々が大変でした。

すっかり遅れての更新です。写真も追加するつもりが、ちょっといろいろPCの調子悪く、ひとまず更新します。

*初お能鑑賞のY子さん、とってもおもしろがってくれました。
成達がかっこいいといってくれて、うれしい!でした。

番組表はあとで。
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by ginsuisen | 2008-11-10 12:41 | 感激・舞台
月が! まさに観月能
今年も恒例の宮島観月能に行くことができました。
今年は10月13日祝日振替の月曜です。
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晴天のこの日、昼間は暑いくらいでした。

風もなく、煌々と照る月の下、700年の生を持つ美少年枕慈童が舞います。
少年が橋掛かりにスーッと消えたあとにもまだなお、月が照っていました。
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この舞台の下にひたひたと満ち潮になって水があがってきたのです。
夜は少しひんやりでしたが、寒くはありませんでした。

観月能のパンフによれば中国新聞主催になっての10年目だそう。
初めは、奥様と二人で手作業で、席作りから何から何までなさったとか。
その間になんども奥様は宮島と東京を往復し、靴の底が抜けるほど、回廊を歩き、席決め、椅子の配置などとご苦労があったと書いてありました。
そういえば、最初のころは、友枝さんのところにチケット申し込みでした。
あるときから中国新聞になったのでしたっけ。

いつまでも、続いてくださいますように。
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by ginsuisen | 2008-10-15 18:42 | 感激・舞台
喜多流自主公演能 友枝さんの鳥追船
毎年、9月の喜多流自主公演能の友枝さん出演日は、早朝から並ぶので大変です。
去年は9時を廻ってしまったので、今年はがんばって、8時半を目標に行きました。
ラッキーにも、8時半前に到着。すこし肌寒いくらいの天気ですが、
暑くないのが幸い。10時半まで待って、整理券をもらい、入場したのは11時です。
友人とがんばったおかげで、正面席をなんと確保。
この日は、補助席まで出ていて、指定席(これは1ヶ月前にやはり早朝から並ばないと手に入らない)も1列多かったような。それに関係席とやらは1列あって、
それは席確保も大変な日。
ほかの自主公演の日はこんなことはなく、やはり友枝効果なんでしょう。

仕舞
錦木・・塩津圭介君。顔の表情が出てしまうのはしょうがないのでしょうか。ちょっと気になりました。でも、以前よりもずっと落着きが感じられました。
船弁慶・・大島さん、安定した所作に、グイグイとひきつけられました。この方、やはりおきれいです。気持ちのよさがあるんです、どこか。

しかし、やっぱり、早朝から並んだあとに、食事をしたせいか、
最初の能「養老」ではかなり撃沈でした。
狩野さんがきれいだなーとは思っていたのですが、
ウトウトとしてしまい、ごめんなさいでした。
しかも、この能、長かったです、1時間半。
脇能だったのですね。福王和登さん。和幸さんの弟さんでしょうか。

狂言
大倉弥太郎さんの粟田口。うーん、これくらいの明るさと軽さが、眠気をゆさぶって
リラックスさせてくれたみたい。
仕舞・井筒
塩津さんです。仕舞で井筒を見るのって、もしかしたら、初めてかな。
やはり、スゴイ方ですね、たった仕舞の何分間かで、井筒の女の哀しみを表現されていました。持っていらした扇面の絵は、平安の女や貴人が描かれた歌留多のような感じに見えました。

「鳥追船」
初めて見る能です。
ところは九州・日暮里。
任期が延びて、もう10年も帰ってこない、夫を待つ、妻(シテ)と花若、そして、臣下・左近尉(ワキツレ)。
前シテの衣装のきれいだったこと。
2色の段模様に花がちりばめてあり、地味ですが、それなりの格を見せます。
花若も黄色の着物に朱色の長袴。
家の中での設定なのでしょう。
ワキが、自分の田の雀を追うように、花若にいいます。
花若だけを行かせない、私も行くとシテがいいます。
そのときのワキツレ左近尉の恐い物言い。
しかし、ひるまず、シテもついていくことに。
この日のワキツレは福王和幸さん、顔がきれいなだけに、恐い表情がすごかったです。
(福王さんも久しぶりに拝見すると、貫禄ついた感じ)

後場の前に、日暮殿がアイの従者を伴って帰ってきます。峠でしょうか、鳥追船がいくつも見えている場所で休憩を取るような設定。なつかしくながめている(立場変わればのんきな話です)
(狂言の鬼瓦がそういえばありますね。都から何年ぶりに帰ってきて、屋根の鬼瓦を見て、遺した妻の顔に見えて、なつかしいというのが・・あれはこういう能のパロディかしら)

後場、鳥追船が舞台に。
前のほうに竹笹が3本立って、その中間にはカンカンとなるような絵馬の形の鳴子が3つ。
上のほうには鞨鼓が一つ。下のほうには赤い紐が笹3本の横に三段かかっています。
「ほら、我が田だけ、雀があんなに・・」のワキツレの声に、
鳥追の姿に変えた、傘をかぶったシテと花若が乗り込みます。
花若の帯・・水色に花の刺繍、着物も花刺繍柄で美しいです。
ここからは、船の中だけ。
扇を返して、鳥を追い、鞨鼓をならし、鳴子を振り・・
せつなく哀しい立場を見せます。狂女の設定なんだそうですが、
狭い中での動き故に、一層境遇の寂しさを感じさせます。
このあたりの友枝さんの物語性の高め方がいいですね~。
そして、地謡も。感情を高めてくれます。

そこに、日暮殿が近寄ってみると・・
ヤヤ・・我が子ではないか。
その瞬間のシテ、笹の陰で顔を驚くように動かす所作が、
美しかったです。あの声は・・あ~、殿だわという感激でしょうか。

主人と知って、左近尉はあわてて、船から降りて、ひざまずきます・・・これは、悪代官が上様!という感じです。
そして、まず一番に花若だけを、連れて降りさせる日暮・・
レレレ、妻はあとから一人寂しそうに降ります。感動の夫婦の体面ではなく、
息子一途なんです、この時代だからでしょうか。
それとも、妻はもう10年も離れていて、別に・・なのでしょうか。

日暮がワキを攻め、成敗となるところを、
妻が「10年もほっておいたあなたが悪い」といいます。
そう、私もほっておかれたのよ。
それを思いしりなさい・・というように。
なぜか、これで簡単に赦されて、太刀を預けて、メデタシ、メデタシ。
みんな退場し、最後にシテが残り、特に舞うわけではなく、終わります。

この能をもう一度振り返ると、いつもの友枝さんの舞がなくて、残念!という
感じなのですが、自主公演とはこういうものなのかなーとも思い直しました。
船の上での最大限の物語へのトライ。
雄太郎君のトライ・・ということでしょうか。

早起きした甲斐がやはりあったな~と思いました。

この鳥追船・・地元には別に山椒太夫のような二人の子供と別れた母の哀しい物語も
あるとか。


番組表
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by ginsuisen | 2008-10-01 11:23 | 感激・舞台
国立能楽堂25周年記念企画 4日目 待望の川上と三輪
国立25周年企画の中で、もっとも激戦だったのが、この4日目の企画。
なんといっても万作師の川上に、人間国宝になったばかりの友枝さん。
そう、あぜくら会員チケットのネットでは5分でクローズ。
電話がつながったのは1時間すぎだった。友人の何人もが逃したチケット、
台風近づく金曜の夜、大事に行きました~。

狂言・川上。何回目かなーと感慨深く見ました。
橋掛かりからコツコツと杖が聞えてくる。万作師のこの盲目の役は、ほんとうにすごい。
ほんとうに見えないのがわかる。
ありがたい川上の観音様があけてくれると知って、勇んでいくときの心も早く飛んで行きたいが、いかんせん、目が見えない、もどかしく歩いていくと、つまづいてしまう。
「あ~いた、アイタ。あ~いた、あいた」この台詞は、「しびり」での台詞と同じなのに、
これは本当に痛さが身に応えているのが見所も一緒になって痛くなるほどだ。
あー、気の毒だなと切実に思う。
それだけに、目があいたときの喜びようが伝わる。
でも、観音との約束が、妻と別れよとは。
妻の怒りをこちらも供に、床を踏み鳴らしたくなる。
石田幸雄さんの妻・・いいですねー。長年連れ添った時間を感じさせます。
そうよ、あなたが目が悪くなろうとも、ずっと一緒に暮らしてきたのだもの。
いまさら、なんでしょう。そんな観音、こちらから踏み潰したい。
再び、謡いあい、手を取り合って、元の暮らしに戻っていく夫婦。
この川上を最初に見たとき、涙があふれた記憶があります。
新宿狂言でも、萬斎さんがプロデュースして、川上でした。
あのときは橋掛かりではなく、舞台中央に二人が手を取り合って帰っていったのでしたっけ。そして、世田谷でも、確かあったのではなかったかなー。

さて、今改めて思うと、観音で目が開いたのは夢だったのではないか・・
そんなに簡単には目は開かないよというお話だったのでは。
人生を受入れる。受入れることで見えてくるものがある。
そんな風にも思えましたが。


能は三輪
杉さんのお笛。細く長く、美しいです。
この日のワキは欣也さん、そしてアイは萬斎さん。
25周年にこの若き2世たちを選んだのは、意味があるのではないかと途中で思えてきました。そう、国立ができたとき、萬斎さんは確か三番叟を踏んだと聞いています。
真っ白な舞台で踏んだ感激をどこかで語っていました。
だからこそ、能楽の世界にイギリスから戻ってきたとも。
その彼らが、当代一の友枝師と同じ舞台にいる。
囃し方もトップランク。太鼓は若手君とともに次代を担う彼らにとっても大貴重な舞台になったのではないかと実ながら思いました。
前シテの衣装・美しかったです。
金茶色と薄い白地の段重ねに、草花の模様が散りばめられた秋の風情というのでしょうか。
裏は紫でした。
右手には数珠を持っての登場です。
いつも水をもってきてくれる女とワキの問答。
とうとう最後に住み家を聞くと、応えます。
「三輪の里」だと。
そして、くるくると回って、作り物の中へ。

アイの登場。萬斎さんが道行をながら三輪明神を参詣。そこに、衣を見つけたと
ワキの僧都に報告します。
そして、水を汲んできた女は、三輪明神だろうといいます。
とても静かなアイ語りが厳かさを高めます。

そして、ワキが三輪の里を訪ねていき、衣を見つけます。
オー、オー、ウオーと大・小の掛け声とともに、
後シテが登場します。
明神の作り物の布がするすると開くと、あらー、美しい!
さっきの里女とは違う、緋袴に白の神々しい明神がそこに。

そこからは、もう、友枝さんの独壇場。
うっとりうっとり見入りました。
夜しかこない夫婦、不審に思い糸をつなぎ、その糸をたぐれば、この山もとの杉まできた・・
それから天の岩戸の話も。
神楽が舞われる。
そして、岩に隠れ、そっとのぞくようにまた岩戸からでてこられる姿のかわいらしさ、美しさ。
橋掛かりまでいって、ふと振り返ったように、見つめる横顔!
神がかっていました、ハイ。

あ~きれいでした~。うっとり~。
こんなありきたりのことしか書けません。

ということで、もう10日も感想書くのに、かかってしまいました。

2008年9月19日@国立 6時開演

狂言「川上」 和泉流
シテ 野村 万作
アド 石田 幸雄

能「三輪」神遊 喜多流
シテ 友枝 昭世
ワキ 宝生 欣哉
アイ 野村 萬斎
笛・杉 市和、小鼓・横山 晴明、大皷・亀井 忠雄、太鼓・前川 光長

地謡 粟谷 浩之、金子 敬一郎、友枝 雄人、内田 安信
   粟谷 明生、粟谷 能夫、出雲 康雅、長島 茂

後見 香川 靖嗣、中村 邦生、狩野 了一
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by ginsuisen | 2008-09-29 17:53 | 感激・舞台
セルリアン能楽堂 ~鵺
一部が終了したのは15時半
それからわずか1時間後の16時半には二部(同じく中正です)

その間の休憩時にロビーへ行くと、洋服姿の森常さんが着物美人と談笑(そういえば、なぜかいつもその姿を見るなー)。深田さんが階段を足早に降りていったり、トイレ列の間を縫って、広忠君が(上下Tシャツ&パンツも黒)、メンズのほうへ・・・
友枝さんの奥様はいろいろな方からのお祝い言葉に応対。馬場先生もどなたかと談笑。
・・なんて、開演前のこの雰囲気はおもしろいですなー。
リンボウ先生もお見かけしました。

で、始まりました。馬場先生二部には、国宝二人も登場とのお話。
ほんとだ、万作先生と友枝さん。すごいなー。今日の二部は確かに。
馬場先生、こんどは鵺についての解説。これがおもしろかった。というか、この日の馬場先生、テンション高い!って感じのよどみのない解説。
南北朝という激乱の時代背景。右か左、南か北、源氏か平家もあっちこっちというころ。
そこに現れた、鵺。ことに乗じて、王朝を亡きものにせんとする。ますます混乱の世に貶めようとする妖怪。しかし、それこそ、人の世の心そのものだった・・世阿弥が描こうとした鵺。
鵺自身への世阿弥の思い・それが現れているのが、この能なのだと・・馬場先生。
で、鵺を一矢で落としたと英雄視されている頼政は・・馬場先生は見た目も所作も美しく、平家物語一の優男で、よい声の人で、風が吹いても月が照っても歌を詠むと自然な人と鴨長明が無銘抄の中で言っているとか。しかも平等院で敵と対したとき、わずか50機で向った・・などなど、そうとういい男だったようです。

で、さらに鵺についての詳しい馬場先生の解説・・柴田稔さんのブログここで解説されておりますデス。この柴田さんの鵺の解説、2008年の6月の記事でなんと①から⑮まであります。特に⑪などもおもしろい!ゆっくり読むことにします。
あと、粟谷明生さんのところ・演能レポート「鵺に託した世阿弥の思い」にもありました。フムフム・勉強せねば!


鵺の詞章にはなぜか、いくつもの恋の歌があらわれていると馬場先生
 「悲しきかなや身は籠鳥 心を知れば盲亀の浮木 
  唯雲水に埋木の さらば埋もれて果てずして 亡心何に残るらん
  浮き沈む 涙の波の空舟 こがれて堪えぬ 古を 忍び果つべき 隙ぞ無き」
 人生の哀しみ、挫折を恋の歌で表現している・・・中世ならではの考え方としておもしろいのだそうです(ここで伊勢物語・斎宮と業平の一夜の歌も登場・・つまり杜若とのつながりかしらん・・と勝手に想像したり)

 現在能でありながら修羅能として表現した世阿弥の本意は?
 真っ黒な髪でウツウツとしたものを表現する前シテに対して、
 後シテは、真っ白な髪で、猿飛出という面で登場・・ここには白=心の深さを表しているのでは・・さて、友枝さんはどのように表現されるかしら楽しみですぞ・と馬場先生。
最後に、鵺を生きてますとおどけた馬場先生。なにやら大阪湾の旗印に鵺(頭は猿・尾は蛇、足は虎)のデザインにして、フランスと友好姉妹都市にしたとか・・テンション、高く、しっかり本物の旗印のコピーまで見せてくれました。
 知識の深さはすばらしいなーと思いました。きっと古典の人と頭の中で話しをし、恋についても語っているのでしょうね。可愛い!馬場あき子さんと思いました。

さて、能・鵺
友枝さんの鵺、それはすさまじく、前シテのあの黒い装束はどこまでも黒く、足はまるで、本当の幽霊のよう。脇の森さんが、
「舟の形は有ながら、乗る人影も定かならず~」というように、
舟はスーッと音もなく近づき、ヌメヌメとした、風が生温かく感じさえします。
これは若き天子さまは、夜な夜な恐ろしい夢を見て、病に倒れたでありましょう。


哀しみ、恐ろしさ全てを体に秘めた鵺
現代の私たちの天にも覆い臥す鵺の存在
私たち自身が生んだ鵺
矢で撃ち殺してくれる頼政の存在はいるのかいないのか。
いや、自らの矢で撃ち殺さねばならない・・

矢を放たれたあと、正先で刺し殺すところのこわいこと。
エイエイと頼政の手下の猪早太に刺されます。
「~九刀ぞ刺いたりける」

夜の波に
浮きぬ沈みぬ見えつ隠れ絶え絶えの
いくえに聞くは鵺の声
恐ろしや凄まじやあら恐ろしや凄まじや


いや、恐ろしい前シテでした。
中入りで間は深田さん(栗焼きではちょっと寝てました・・ハイ。昨夜覚えるのが大変だったかな・・と推察)・・改めて、鵺の素性を語ります。

御法の声も松風の 御法の声も松風の~後シテ登場 
 白い頭 面は猿飛出 装束は金のオドロオドロシイもの


「~さても我悪心外道の変化となって
仏法王法の障とならんと~」・・・

ふたたび、自らの話をする。

そして、すさまじき思いを語る。

最後は、「月日も見えず暗きより暗き道にぞ入りにける・・
(・・・和泉式部の歌を引用・・ここに世阿弥の鵺への心寄せを感じると馬場さん)
      遥かに照らせ山の端の
      遥かに照らせ山の端の月と共に
      海月も入りにけり 海月と共も入りにけり」

そして、おそろしきまま、橋掛かりへ

そうか、そうかそうだったのか・
鵺は実態ではなかったのだ、頼政であり、世阿弥であり・・
そして私たち自身?なのかもしれない 

ズドーンと落ちたような気持ちのまま、終了。

げに恐ろしきかな・
すばらしき友枝さんに感動でした。

もう一度みたいものです。

それにしても1日に2つの演目・全く違う、美女と妖怪を演じる友枝さん、すごいですー、ほんとうに素晴らしい。国の宝を拝見できるありたさ!

あ、狂言は万作先生の栗焼き!万ノスキーさんがちょっとお元気ない暑さ負けのような出でした、でも、一声発したら、いやいや、いい感じのマンノスキー節でほっとしました。
暑い季節のアチチの栗焼き。万作先生、ゴチになりましたー。
しかし・・・深田!後見で寝てたぞ。と、あとで、誰かに怒られないかとヒヤヒヤでございました。

番組
狂言「栗焼」 太郎冠者 野村万作  主 野村万之介 後見 深田博治

能「鵺」 舟人・鵺 友枝昭世 旅僧 森常好                                笛 槻宅聡 小鼓 曽和正博 大鼓 亀井広忠 太鼓 大川典良                   後見 粟谷能夫 狩野了一                            
地謡 大島輝久 友枝雄人 金子敬一郎 内田成信
    中村邦生 出雲康雅 香川靖嗣  長島茂       



 
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by ginsuisen | 2008-07-29 10:53 | 感激・舞台