大好きな能楽鑑賞から料理まで、日常さまざまの記録
by ginsuisen
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舞台の熱気は外以上 亀井家の「囃子の会」
行ってきました。暑い8月の第一土曜日。16時半開演@歌舞伎座
前日までの2~3日は比較的しのぎやすさがあったのですが、この日は暑い、熱い!という感じ。午前中に夕飯を仕込んでいる間に汗びっしょりに。さすがに途中でクーラー入れてシャワーを浴びてから出かけました。

チケットに開場時間も書いてないので、ちょっと不安。案の定、まだ開いてませんでした。
近くの茜屋珈琲店に。オッとびっくり、全部995円なり。お上等な歌舞伎座お客様向けの珈琲をいただいて、お釣5円はキンピカ也。

熱気むんむんの歌舞伎座。車で乗り付ける、きれいどころを尻目に三階席へ。
あー、階段なんだ。
佐太郎さんが、今の歌舞伎座でできるということ、初めてにして最後と・・パンフだかにありましたが、そうだねー、エスカレーターかエレベーターが必要ですね、これからの時代の劇場は。

舞台が開くとー、能舞台を1・5倍くらい広い舞台が正面に。
左手は、幅広い橋掛かり。立派な松の作り物に、銀の屏風。
いつもの、三響会だと、もうちょっと派手な舞台装置ですが、
パパ・ママの会を意識しての大人の雰囲気。

一、三番叟
   藤間勘十郎  笛・福原寛 脇鼓・傳左衛門 頭取・佐太郎 脇鼓・傳次郎 大鼓・広忠
            三味線 杵屋

能も演目の最初に翁を演じ、祝い、呪術的なものだが、歌舞伎でも芝居小屋で毎日、三番叟を演じてから興行を行うのが慣わしだったとか。公演の祝言の意味を込めての三番叟を、三兄弟のもう一人の息子と呼ばれるほどの仲という勘十郎さん。操り三番叟のほかに、なんと舌だし三番叟とかあるそうだけれど、ちょっと舌を出したけれど、もっとやわらかい華やかな三番叟だった。笛の段もおめでたい感じいっぱい。千歳もいないで自分で鈴を取りに行くのもおもしろかった。小鼓の頭取・佐太郎さんを息子たちが囲む。三味線もついて、いつもの能の三番叟の緊張感とは別で、なんともめでたやな・でした。直面・素袴の勘十郎さんがさわやかだった。
広忠君が歌舞伎の囃子を打つ、めずらしいもの。表舞台ではめったに母と組まないわけだから、佐太郎さんには感慨深いものだったろうな~。

二、鶴亀
   帝・中村梅玉
    亀・中村萬太郎
    従者・中村梅丸
    鶴・中村梅枝
      笛・鳳声 晴由 小鼓 田中長十郎 傳次郎 傳左衛門 大鼓・太左右 太鼓・佐太郎      唄 三味線 


幕があいて、パーッと華やかな雰囲気。これもおめでたい続き。能の鶴亀とは一味違うが、詞章は観世のものだとか。皇帝の梅玉さんに、亀と鶴がおめでたく舞う。亀は亀の模様、鶴は鶴の模様の刺繍の衣装でした。長唄、三味線もついての歌舞伎色の華やかなな舞台にうっとり。こういうのも、たまには、いいスね。

三、小袖曽我
   観世銕之丞
   梅若六郎
 大鼓 亀井忠雄 小鼓 幸 清次郎 笛 松田弘之 

地謡 坂口貴信 角当直隆 山崎正道 観世喜正 梅若晋也 片山清司


やっとお能バージョンです。なんだかホッとします。舞囃子をまあ、なんと豪華な二人が舞うのでしょう。曽我兄弟の話は歌舞伎でもあるけれど、能の舞ならではの静ななかに力強さを感じる舞。もともと直面の能。軽やかで、かっこよかったです。お二人の息もぴったり。何より、大鼓の忠雄さんに笛は松田さんですから情緒たっぷりでした。ちょっと舞台が広すぎて、音の響きが弱いような・・・・

四、静と知盛
   中村富十郎

笛 福原寛 小鼓・傳左衛門 大鼓・広忠 太鼓・傳次郎 唄 三味線・杵屋


「静と動という全く異なった性格の二役を、ひとりの演者が、しかも扮装をせずに「素」で演じ分けるのは、舞踊の技量はもちろんのこと、演技力をも必要とされています」
と、パンフにあったとおり、それは見事でございました。
こういうのを見ると歌舞伎もいいな~なんて思います。
熟した芸域の広さでしょうか。富十郎さん、ステキ。笛のほかは三兄弟というところも、スゴイ見ものでした。

休憩が40分も。歌舞伎座式でした~。みんな手馴れていてお弁当持参だったり申し込みしていらしたようです。

五、羅生門
   中村吉右衛門  笛・鳳声 晴由 小鼓・傳左衛門 大鼓・広忠 太鼓・佐太郎 唄・三味線

後半の最初が吉右衛門さん。能楽の羅生門の詞章をほとんど使った長唄「羅生門」ができたのは慶応二年だそう。三世勘五郎の代表作に。今回はそれに初めて振り付けがついて、舞踊として上演した記念すべき初お披露目だったようだ。
鬼退治の頼光の話だ。馬にのったり、おいかけたり、とっても見ごたえありました。
これも、佐太郎を支えるのは、広忠君に傳左衛門。歌舞伎の囃子を見事に広忠君が打つ。
お稽古を含めて、こうして並んで演じること・うれしかったでしょうね~。


六、楊貴妃
   観世清和 ワキ・宝生閑
    大鼓・亀井忠雄 小鼓・幸 清次郎 笛・松田弘之
    地謡 坂口貴信 角当直隆 山崎正道 観世喜正
        片山清司 観世銕之丞 梅若六郎 観世晋也

いつもの能と違って、見所が暗い中で幕が上がると、すでに閑さんは登場。楊貴妃を捜し求めて常世まできて、印の釵(かんざし)を見せてほしいという後半のところ。御簾の中から、楊貴妃登場。照明がパーッと明るくなって、光輝く様を表現する演出。美しい!可憐!衣装は小さな扇の面がいっぱいの模様。釵を頭の冠につけると、はばたく鳳凰でした。なつかしい、帝との在りし日のこと舞う。哀れな美しさでした。そして、釵を渡し、閑さんは別れをつげて、帰っていきます。
支える囃子、地謡のそりゃ~見事!なんと豪華な地謡。なんといっても後列の並び方のすごさ、喜正さんが前列の端なんてみられませんね、ふだんは。

 パンフによれば、忠雄さん「能の方は私が『これを』と勝手に決めてお願いしました。楊貴妃で は家元が舞って、六郎さんが地頭で隣に銕之丞さんが並ぶ。そういう番組を作り、地謡に片  山、観世、梅若の次代を担う家の子たちが出ることで、彼らにも何かを得るものがあるはずで す。他ではちょっと考えられない番組になりました。目利きの方たちに応えられるだけのメンバ ーが揃いました」と忠雄は笑みをうかべる・・とありますー。ニャルほどー。
  
七、老松
   坂東玉三郎
   
   笛 田中傳十郎 傳太郎
   小鼓 田中左吉郎 田中傳九郎 田中源太郎 田中佐英 田中傳左衛門
   大鼓 田中傳八郎
   太鼓 田中佐太郎 田中傳次郎 
   唄6名 三味線6名 
   

さあ、最後は・・と、10分はさんで、幕が上がっると待ってましたとばかりの溜息~!
美しい、美しい博多人形のような玉さまが!屏風も金に変わってました。笛二人に鼓は田中一門勢ぞろい。歌舞伎色一色のお祝いのよう。
これだけを見にきている方もいたかもー。
真っ黒な留袖の模様も松。老松といえども、一千年の昔より、老いては若返る松そのもの。
解説によると、素の長唄として作曲された最初の曲で、演奏を鑑賞するという目的の下に作られた特徴があるそう。
扇2本を、ピタッと持ってのそれは目の保養になる舞でございました。端には太鼓二人・傳次郎さんと佐太郎さん。その寄り添った二人の音色に思わず耳を傾けました。

番外 獅子
   笛・福原寛
   小鼓・田中傳左衛門
   小鼓・田中佐太郎
   大鼓・亀井忠雄
   大鼓・亀井広忠
   太鼓・田中傳次郎


そして、最後は、家族一体となった獅子。前の回のとき、ほんとうにプログラムの番外で子供たちと忠雄さんが打ったあの乱れ打ちのような獅子を今日はママも加えてのもの。

 「親バカかもしれないけれど、子供たちには基礎を仕込んでずっと見てきました。私の年齢に なれば、みんな私を追い越して行くでしょう。前回に傳左衛門、傳次郎と『獅子』を演奏したとき 『やってよかった』と思った。全員がそろう曲がないので、今回はみんなでやろうということになりました」と忠雄さんの言葉パンフにはある。

中央に忠雄さんと佐太郎さん、それを囲むように3人の子供たち。端に笛。最初は佐太郎さんに傳次郎、傳左衛門の3人が笛の誘いで打つ。その次に忠雄さんと広忠の能グループ。そして、全員が吼えて、打って。親獅子が子獅子の旅立ちを祝うかのよう。
普段の幸弘君で聞きなれているせいか、笛がちょっとやわらかいかなーでしたが、
家族の結束とこの見事な才能と芸位に感服でした。
幕が下りてからやまない拍手に応えたように幕が上がると、そこには家族5人が頭を下げていました。
 
いやはやすごかったなー。
でも、心なしか、佐太郎さんが小さくなった感じに見えました。それだけ、子供たちが大きく一人前になったということでしょうか。
それにしても、ここは歌舞伎座。言ってみれば、佐太郎さんのホームグラウンド。そこに忠雄パパは、出向いてきているわけですねー。還暦を迎える妻を思う、忠雄さんの大きな愛を感じましたー。

今、パンフを見ると・・
  忠雄さんの言葉があります。
  「目利きのお客様にお集まりいただき。そこで物事が出来れば、舞台人としては一番の幸せ  です」・・・・とも。ヒエー。見所にも目利きを期待されている忠雄パパ、応えられていたのかどうか。でも、いずれの方々も立会い一本勝負でしたね、ほんとに。それに演者にも囃子の方々も佐太郎ママとと忠雄パパは師匠。そのお祝いにしっかり舞、演じ、演奏ていたのだなーと思えました。こちらはそれを拝見したわけで、本当にどうもゴチソウサマでした。いつまでもお元気でまた見せて聞かせてくださいませ~
  外はそれはそれは暑かったうえに、あの親子の熱気に当てられ、それ以上に興奮していてもっと暑く感じて帰路に。

追記・佐太郎ママの言葉
 羅生門で佐太郎と広忠が共演について
 「一度一緒にやってみたかったので楽しみです。息子たち主催の『三響会』とは違うから『冒険 はしないで』とお願いしています」・・そうかー。だからいつもより抑え気味の演出だったのね   ー。舞台装置もすごく正統派だったし、照明なんかもわずかに楊貴妃だけだったのねー。きち んとした正統派で勝負!あの佐太郎さんらしいですねー。そのママの希望に添った息子三人 に拍手!。

それにしても見事な家族だな~。三人の子供たちの末の末まで見られるとうれしいけど・・
お孫ちゃんが女の子とか・・ここも絶滅危惧なんて勝手な心配したりして・
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by ginsuisen | 2008-08-03 18:57 | 感激・舞台
能楽現在形 融・舎利 2日目

21日の能楽現在形は1階席から見ました。

融・・友枝雄人さんです。
それに、小鼓が成田達志さん!
囃し方がバッチリ見える席。広忠君の横顔の吼える顔も見えます。
さすがに音響もすごく、休憩時に、そのまん前に座っていた外人さん、
音がすごくて耐えられないと席替え要求してました。
さすがですな、外人感覚。見るからにはちゃんと要求する・・日本人にはできないかも。
それで、劇場も外人だからでしょうか、要求を呑んでいました。
(ちょうどハジッコ席・私の脇でそのやりとりをしていたのです)

さてさて、雄人さんの融
きれいでしたわー。烏帽子の姿も美しい貴公子ぶり、
融は光源氏のモデルとも言われた人、雰囲気ぴったりした。
勺を持っての舞という喜多流独自のもの。
かつては、豪華な御殿も今は見る影もなし。
その思い出に浸りながらの舞。
1階席で見ているせいか、または前日のすべるリノリウム床の話のせいか、
はらはら、ドキドキ、そのせつなさに胸がつまる思いでした。
そう、勺を扇に持ち帰るとき、勺がうまく入らなかったのか、
装束がきれいにまとまりませんでした・・こういうときのために、日頃は後見がいるのに、
この舞台の場合は後見なし。どんなもんなんでしょう。
面という制約のシテには後見の存在は大きいのでは。

舎利・・狩野了一さんです。韋駄天は大島さん。
日頃はツレで、美しさを競っているのに、今日は二人とも男っぽい追いかけっこ。
脇は森さん。こういう舞台にぴったりなオペラのような美しい声のはり。
追いかけっこぶりも昨日と違うのですが、どこがどうといえないのが残念。
でも、稲光のとたんに、袖で頭をかくしている姿など、こっけいながらおもしろかったです。
横の橋掛かりですれ違っての応戦もあり、トンと降りてかくれんぼもありでした。

c0092027_12362020.jpgアフタートーク
昨日と同じで三人が登場して話の途中で、シテの狩野さん登場。
広忠君の袴・水色を見て、萬斎さん「派手だなー」
昨日と同様に舞台の説明をした萬斎さん、
能楽師の生命線である「運び」ができないハンディキャップのある舞台でもあると。

幸弘「人間は他の生物の中でも暗いところを恐がる生物。それだけにミステリアス、見えない闇、何があるかわからない、ゼロ」というと「いいこと言うねー」とみんなから言われてました。
ほんとそうだ、闇の中で恐いのは人間だけかもですね。

萬斎「通常、能楽堂は屋根や柱で守られている。空間状守られているんです」

広忠「今回、客席が近かったために、客席の反応をすぐ感じられ恐かった」
   「前列囃子方前の方、大丈夫でしたか」と謝ってました。
萬斎「ウルトラマンと怪獣の宇宙戦争を表現したと思ってほしい、普通の舎利を見るとわかりますが、想像を視覚に訴えたのです」
幸弘「ま、シャリゲナクわかりやすかった、と」
萬斎「本来は、舎利は若手の稽古能です。昨日のアンケートで『能楽堂のほうはいい』という意見もありましたが、そうれはそうなんです。当たりまえです。
ただ、現代の地平と同じところでのプレゼンテーションとして、何ができるかを挑戦したのです。
ま、足拍子といって、能舞台ではもう一つの五つ目の楽器での表現がなかなかできなかった、
そのためのここならでの発想を宇宙大戦争ととらえて、ミラーや照明を使いました」
「ゲームでいえば、縦、横、グルグル回転などステージを上げていった・・次元を変える・仏教界のステージを上げるのとはからずも同じになった。これは邪道といえば邪道です。引き算して引き算した能舞台にあえて、足し算の舞台をした」
幸弘「シャリゲナイ足し算だったのね、それでもいいんだと」・・ここで笑わせるのが幸弘さんの偉いところ?

狩野さん「言うは易し、行うは難しで・・自分がどこまでやれるか、能の型をくずさすにどこまでやれるか、チャレンジでした。頭の中で配置替えをし、想像しながら演じた。特に、スロープから平、スロープの舞台は腰が不安定で・・よくぞ、無事に還ってこれてよかったです」
「通常の一畳台の高さはわかる・・でも、今回のこれだけ高いと・・」
それを受けて、萬斎「一畳台の2倍です」・・・イヤー怖かったのでしょうね、さぞ。

なお、融の月は・・子午線の祀りの使い回しとか(月の映像も著作権ありなので)・・昨日の喜正さんは演じていて気持ちよかったー・・とか。
また、本来の舎利では、三宝を踏み破ることで、天井を蹴破ることを表現するとか。
片山清司さんは、大きなお堂を作って突き破る演出もしたこともあり、そのお堂が足にからんだまま動いたなんていうこともあった・・これは見ていて怖かった・・と萬斎さん。

今後もいろいろ能楽現在形は未来の能のために行っていくのだろうが、
萬斎さんとしては具体性を求める人は「舞台能に」、イメージで世界観を楽しむ人は「能楽堂で」と言ってました。でも、広忠さんは「こんどは能楽堂で」とも。

三人の天才は、多分、本当に、今後の能を危惧しているのだろう。
かつてのそれぞれの親たちが苦労した時代を知っているからこその果敢な挑戦。
さてさて、未来へ・・どうなのかなー。

私は、能楽堂というこのシンプルな世界観を信じたい。未来でも。

写真はパンフレットを開いたところ。黒地にグレーの刷り。開けると大きな月、右側は萬斎さんからのメッセージ。この月が暗い客席でときどき光ってまぶしかったです。

3日目の宝生の金井雄資さん・・すみません行きませんでした。
すごくぴったりでよかったらしいです。
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by ginsuisen | 2008-06-26 09:17 | 感激・舞台
能楽現在形 融・舎利1日目
世田谷PT版 能楽現在形の20日、21日と連続行きました。

20日は3階の3000円席。
どうだかなーと思うほど、最初からスモークが立ち込めて、
舞台はほとんど暗くて、実際に始まるまで見えませんでした。
舞台の床も真っ暗、両サイドに囃し方と地謡が斜めに座ります。

初めの演目は「融」・・20日は観世喜正さんです。
舞台奥には大きな月が映されて・・謡がエコーのように流れ、そこに喜正さんが登場。
3階席のせいか、喜正さんの背の高さを感じません。
面がグレー、白い装束で、本当に死人のように見えました。
奥のスロープから降りて、平なところをすぎ、手前のスロープを降りてきます。
次第に、月の灯りの中で、生彩を見せ、思い出に浸りながらの舞が始まります。
この舞・・この前の広忠君の紀尾井町ホールでの小書きのものと同じかなーとも
思うのですが、あのときのクルクル感よりは装束のせいか、
ゆったり平安の時を感じました。
その間の、ピーピー、トントン、オートンの吹きまくり、吹き返し、
打ち続け~には耳が疲れるほどというか、ずっとの囃子に酔うようでした。

休憩時に、友人の母(初めて見た)は、幸弘君が倒れるのではないかと思ったと言ってました。
そうなんですよね、あの体で吹く姿は心臓発作寸前ですもの。

後半は舎利。お目当ての片山清司さんがシテ。
脇は欣也さん。奥のスロープを横切るように横に平らな橋掛かりというのでしょうか、
右手から登場です。
気がつくと、舞台右狂言座に萬斎さん。真っ暗なので登場に気づきませんでした。
舞台中央には台座がおかれています。
萬斎さんが泉涌寺のいわれをいいつつ、奥を示すと光り輝く舎利があります。
萬斎さんが台座に置くことで、奥の舎利殿に場が移ったことになります。
そこで、欣也さんが祈っていると・・左手から、スーッと足疾気の清司さん登場。
着物は僧のようですが、頭は鬼のように髪がバサーっとなっています。
舎利を盗んでいくところの美しいこと。
瞬時に天井の屋根を模した柵のような枠が落ちてくるような仕掛け。
揺り戻せ揺り戻せ・・道成寺の間狂言と同じように、舞台左から転げて萬斎さんが登場。
ここで、足疾気と舎利と韋駄天の謂れが語られます。
後シテは、まがまがしい衣装で鬼の面に舎利を抱えて登場。

舞台奥には稲光が映されて、ミラーボールの照明も。
ここからは、韋駄天(関根祥人さん)との追いかけっこ。
あとのトークで、萬斎さんがウルトラマンといってましたが、
橋掛かりからトンと降りたり、ここと思えばまたアソコのように舞台を縦横に動きます。
ときどき、光の柱も立ったり・・それにしても、この暗い床で
よく動きましたー。


c0092027_12372847.jpgアフタートークは
三人(幸弘・広忠・萬斎)がまず登場して、萬斎さん司会で始まる。
こういうときの司会はダラダラしているのが萬斎節か。
(実はこのダラダラ感は私は好きでない。なんとなくイヤイヤに聞えるのだ)

まず幸弘君の感想「シテがいつ落ちるのではないかとヒヤヒヤだった」
特に融は一三段の舞の小書きつき。
「五段、五段、三段と吹き続ける、13日の金曜日ではなく、一三段の金曜日」だったと幸弘節でまず一発!きました。
幸弘「ま、ぼくはどこでもふけます。この前も、成田でこれなんですかと聞かれれば全部吹いてみせますが・・」
ハイハイとなだめるような萬斎さん、にっこりの広忠君。
で、広忠君は「通常の能舞台では、立ち方の後ろから押し出し押し上げるように囃して舞台を作り上げるのだけれど、昨年は、まったく後方・影の位置で、一体感がなかった。今回はエプロンスタイルで、それは解消されたと思う、ただ、水蒸気のスモークがすごくて、
大鼓には非常に打ちにくい舞台だった」と。このとき幸弘君「湿気があって、シッケイしました~」

萬斎さん・今回の舞台は、床にピアノのようなリノリウムを貼ったのだそう。
これはいままでの世田谷PTの三本柱を出すよりも一歩進めて、
ひのきの板、屋根で囲まれた能舞台の世界観をこわし、
劇場という空間で舞台を作ることにしたのだそうだ。
だから、開口一番に「三階席が今回はお得」といったのか。
ほんと、映り込みがきれいでしたー。

そのため清司さん「何ごとも大魔王の言うとおり・・それにしても、奈落の底に落ちる感じで、向きがわからず、孤独感でした。深海に突き落とされて、左右天地がわからない状態というのでしょうか」
幸弘「昆虫ならば触覚があるけれど・・ですね」

萬斎(?)「それだけ、応用能力適応能力が試されるわけです」
清司さん「ツレを何回見失ったことか、あったと思った光の柱がなくなる。普通は1回の申し合わせですが今回は2回しました。それでも、デキナイ?とか無理では?といわれると・・・・それはヤラネバと思って。精神的ハリをもって、お客さまからもらって演じました。こういう舞台はダイレクトな反応がこわい、とにかく無事に戻るようにと考えてました」
あー、さぞ、怖かったでしょうね。関根祥人さんのコメントもお聞きしたかったです。

それに対して、萬斎「あえて負荷をかけたわけです」
命がけの舞台、相当な精神力が必要だったのでしょう。

さてさて、この能楽現在形・・未来形になっていくのかどうか。

韋駄天=稲妻と思えない世代にはアーヤッテ稲光を照明で見せねばならないのかなー、とふと思いながら帰路へ。

質問「舞台で何が一番辛いか」
「立膝でじっとするのが辛い。子供時代から3分間じっとすることから稽古してきた」
「楽をしないところを超越したところを楽しんでいる」
「笛も吹いているほうが楽・待っているのは辛い」
「そうですね、大鼓も打っているほうが楽」
 なるほどね、見ているほうも居グセのときは辛いワー。特に、砧とかねなんて思いました(今でも忘れられないMOA舞台の「砧」・中正面。何もみえず、動かずで、まだ能を見るのが初心者だったので、こんなに能を見るのって辛いのかと思いましたもん)

それにしても、素顔の片山清司さん・・舞台後のせいでしょうか、
お顔は紅潮・・かわいらしくお品がよかったわー。

幸弘君、さりげなく、舎利などお能の絵本を清司さんはたくさん書いていますと紹介。
すると「今回、それを読んでやっとわかったの」と萬斎さんたちにからかわれていました。
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by ginsuisen | 2008-06-25 13:44 | 感激・舞台
亀井広忠プロデュース「歌 舞 音 曲」@紀尾井ホール
いつからこんなにはまってしまったのだろう・・
亀井広忠を知ったのは、そう、能を見始めてすぐだった。
舞台後の囃子方まで、まだ目が行かないころ。
囃子方といえば、ほとんどお年よりだが、すぐに小鼓の源次郎さんの端整な雰囲気には気づいた。それから、同じ小鼓の鵜沢洋太郎さんもカッコよかった。
あと、笛の藤田六郎兵衛。あの体格がなんだかグッと引き締めている感じで。
しかし、広忠君に出会ったときは、その大きな声、大きすぎて、謡やシテの詞がかき消されそうな感じ、声というより吼えているようだった。それにビックリ。
友人は、声が聞えないと文句を言っていたけど・・
そして、広島で・・フェリーの中で見た、茶髪のさわやかな青年ぶりだ。
あんなに若いのだ・と思ったとき、大興味に代わって行った。

それから約10年。
亀井広忠~忠雄パパ、佐太郎ママ、傳佐衛門、傳次郎兄弟へと興味は発展。
彼ら三兄弟の三響会、父母の囃子の会の演奏に、毎度シビレッパナシ。
去年見た、国立能楽堂での広忠プロデュースの能楽囃子コンサート。これもすごかったなー。
c0092027_2083461.jpg
(写真は紀尾井ホールへの路、四谷の土手のアジサイ)
で、今回は、なつかしい紀尾井ホールでの広忠プロデュースの「歌舞音曲」と題した、
囃子方中心の音楽コンサート。
(この紀尾井ホールで見たね~。三響会だったかなー、かぶりつきの二列目でしたっけ)

で、今回は音の反響のいいコンサートホールなので、2階席を選択。
パンフレットに広忠君からのメッセージがありました。
「~洋のホールで和の演奏会、果たして如何響きあうでしょうか。楽しみです。~~笛・小鼓・大鼓、太鼓のみによって紡ぎ上げる音楽の世界、世界最小編成のオーケストラであり、演技と音楽の拮抗という意味ではオペラの立ち役ナシバージョンといえるかもしれません。但し能楽囃子はただ音楽チームのみの演奏パターンよりも「謡い」に合わせての演奏のほうが多いと思われます。歌というよりは曲の言葉(言霊)を強調させる演奏方法、と言ったところでしょうか!?当時の流行歌を演劇の中に取り入れて歌い囃す、正に中世のポップミュージックのようなジャンルなのです。なので、私のプロデュースする能楽囃子コンサートでは楽器チームだけでなく必ずシテ方を交えての「歌・舞・音曲」のみっ3つが響き合うように構成を心がけております。~今回は小鼓の師匠である大倉源次郎先生と尊敬する兄貴分の助川治氏を筆頭にした囃子方チームに同世代のトップレベルのシテ方集団。私の大鼓一人でだけでは舞台は成立しません!舞台上、舞台裏、そしてお客様から受ける3つの力が合わさることなく素晴らしい舞台が生まれることはありません!この熱きrock concert、きっと和のDNAに響いて頂けると思います。理解するのではなく、演者とお客様との魂の共鳴があるからこその現代に生き続ける伝統芸能であると信じて囃して(演奏して)参りたいと思います」

~長いけど引用させてもらいました~

共鳴したわよん!広忠君。ホントエライねー。まだ30代初めとは思えない老成した感性にオバチャンはメロメロだわん。


今回の演目
まず、広忠君の挨拶①
素囃子「神舞」 笛・一噌幸弘 小鼓・吉阪一郎 大鼓・原岡一之 太鼓・大川典良
舞囃子「乱」 シテ・谷本健吾 笛・幸弘 小鼓・大倉源次郎 大鼓・広忠 太鼓・助川治
舞囃子「融 酌の舞」 シテ・観世喜正 笛・幸弘 小鼓・吉阪一郎 大鼓・広忠 太鼓・大川典良
休憩はさんで、
広忠君の解説② 袴を明るい茶系のものに着替えて参りましたと登場
一調の説明など。
小鼓一調 「夜討曽我」 謡・観世喜正 小鼓・大倉源次郎
大鼓一調 「花筐」 謡・川口晃平 大鼓・広忠
太鼓一調 「春日龍神」 謡・山崎正道 太鼓・助川治
居囃子 「熊野」 シテ・喜正 地・山崎正道 味方玄 谷本健吾 川口晃平
           笛・一噌幸弘 小鼓・大倉源次郎 大鼓・広忠
舞囃子 「天鼓」 シテ・味方玄 地・山崎正道 観世喜正 谷本健吾 川口晃平
           笛・一噌幸弘 小鼓・吉阪一郎 大鼓・広忠 太鼓・助川治
ここで、再び広忠君登場③、次の演目は亀井家お家芸、アンコールと思ってくださいと。
素囃子 「獅子」 笛・一噌幸弘 小鼓・吉阪一郎 大鼓・広忠 太鼓・大川典良


 「乱」・・いつも以上に、2階席のせいか、足運びはまるでバレエを見るようでした。
爪先立ち、よろよろと~・・谷本さんに興味大。きれいでしたー。
 「融」・・小書きの酌の舞とあるように、アップテンポの舞に驚きました。
クルクルと周る、周る~「早舞」を中心としたもの。笛の旋律は途中で盤渉(バンショウ)という高い調子に転じる優美な舞だそうで、特殊演出だったそう。冒頭には「立回り」という舞も追加、筋目に足拍子を踏む・・・いやー、これ、すごかったです。融というと、優雅な感じしか受けていなかったのですが、これはおもしろい。この舞を組み込んだ「融」が見たいと思いました。
一調はどれも、スゴイ!緊迫感に酔いました。
 「熊野」の喜正さんの朗々とした声がステキでした。
でも、やっぱり、お目当ての味方玄さんの「天鼓」・・きれいでしたわー。うっとり。もちろん、地謡の席から注目でございました。
 「獅子」・・いやー、なんど聞いてもいいです。吼えて吼えて、吹いて、吹いて、幸弘さんとのコンビも最高の囃子・・ROCKだぜ!でした~。

でもって、見に行ったのは6月12日の本公演。追加公演があったのねー、それも前の週の5日に。演目も違ったようで、おなじみ道成寺組曲、安宅延年の舞、勧進帳、松風もあったみたい。
行けばよかったかなー(行った友人もおるのですわ)

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亀井家の以前の会については、別ブログ時代に以下のように見に行っていたようです。
2000年5月囃子の会
2005年の囃子の会@新橋演舞場

2006三響会@新橋演舞場 これは記事続きもある
2007三響会&パーティ@新橋演舞場
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by ginsuisen | 2008-06-17 08:54 | 感激・舞台