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大好きな能楽鑑賞から料理まで、日常さまざまの記録
by ginsuisen
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源氏物語の影響
今年は、源氏物語千年ということで、いろいろ記事が載りますなー。

最近のヒットは、村上春樹の海辺のカフカと源氏物語との関係。
記事はこちらに詳しくあります→

解説をね、我が三田村先生なんですわー。
すごいね、先生のテリトリーは、村上春樹から大和和気「あさきゆめみし」の漫画まで詳しいのですから。

谷崎の細雪
川端の古都などなどもシンクロしているのだとか。
ヒエー、その目線で読んでみたくなりましたー。

 







千年の源氏物語〉今に通じる 男から女への恋
2008年8月5日11時49分


現代小説への影響が見られる「源氏物語」の筋立てや関係
 平安時代に書かれた「源氏物語」は、現代文化にも多彩な影響を与えている。光源氏の女性・血縁関係を軸にさまざまな挿話が織り込まれた物語の小宇宙。現代小説編と漫画・舞台編の2回にわたって、「源氏」がどう受容されたのかを追ってみる。谷崎潤一郎や川端康成から村上春樹まで、その小説世界はどんな影響を受けているのだろうか。(小山内伸)

 村上春樹の『海辺のカフカ』(02年)には、「源氏」の有名なエピソードである六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)の生き霊による葵上(あおいのうえ)の取り殺しの変奏が出てくる。父親を疎むカフカ少年は、意識を失っている間にTシャツに血が付着しているのに驚き、ほぼ同じ時に遠い場所で父親が殺される事件が起きる。図書館員に「源氏」との一致を教えられた少年は、谷崎訳「源氏」を読み始める。

 フェリス女学院大の三田村雅子教授は「生き霊を物語に採り入れたのは『源氏物語』が最初」だという。「六条御息所は加害意識を、葵上は被害意識を持ち、それによって非現実的なことでも社会的真実として成立する。村上氏は同じ構造を少年の無意識の下に、事実かどうかを宙吊(づ)りにしながら描き出しています」

 比較文学者の小谷野敦氏は「源氏」が今なおしばしば変奏される理由に「ホメロスやシェークスピアに比肩する日本最大の古典で、人間の普遍的な心情を描いている」点を挙げる。「徳川時代の文芸は女性が男性に恋するのが物語の型だが、『源氏』では光源氏や柏木など、男性から女性への本気の恋が描かれ、現代人にとって普遍性がある」

 谷崎は「源氏」の現代語訳を手がけた時期と前後して、『細雪』(48年)を執筆している。旧家の4人姉妹の中でも控えめで美しい三女の夫選びを描いた長編は、光源氏が女性らを住まわせた六条院の物語「玉鬘(たまかずら)十帖(じょう)」に通じる。谷崎があこがれた上方文化や王朝美を昇華した世界だ。

 川端も「浮舟」を現代語にした小説を手がけており、『古都』(62年)にも、藤壺(ふじつぼ)と若紫のようなそっくりな女性2人をめぐる愛を、京都の祭りで彩りながら描いた点で影響がみられる。

■自立した女性像に

 女性像を現代的に造形し直すことで現代小説としてよみがえった例もある。現代語訳を手がけた円地文子は「源氏」の登場人物・花散里(はなちるさと)を現代に置き換えた小説『花散里』(61年)を発表している。主人公は愛人の立場だが、円地は自立した女性像を追求する。

 『源氏物語の受容』(新典社)を著した富山大の呉羽長教授は、「円地は『源氏』の枠組みを借りながら、同じように心の柔らかな女性ではあるけれど、自分の求める生き方を実現しようとする女性に描いています」と話す。

 さらに「源氏」の主題である義母と源氏の密通関係は、権力構造や人間力学に迫る点で現代にも通じる。「日常を無意識に縛り上げている構造の中心が天皇にある以上、王子幻想は今も書き継がれる」(三田村教授)という。

 小谷野氏はその枠組みを借りた典型に、舟橋聖一『好きな女の胸飾り』(67年)を挙げる。主人公の若い男は、恩義のある社長の後妻に恋情を抱き、社長は先妻の存在を今の妻に償いたいとの思いから、妻に若い男との交際を促す。「この不倫は源氏と藤壺の関係に当たる。光源氏が須磨に退去した時に桐壺(きりつぼ)院が夢に出てきて許す場面があり、その関係にも重なる」

 この禁忌の愛は、島田雅彦「無限カノン」3部作で、より積極的に展開される。長崎の芸者とアメリカ海軍士官の関係に始まる4代にわたる恋物語で、4代目カヲルは皇室に嫁いだ不二子との破滅的な恋に苦しむ。

 三田村教授は「不二子は藤壺に由来し、王権侵犯の恋を描いている」とみる。「源氏が、権力・天皇に近い女性を侵したいというのは聖なる暴力。それゆえに追放される王子は、王権に最も近い所から最も遠くへゆくので、庶民があこがれる。その王権構造の中枢を島田さんは見定めて、そこから排除される過程に焦点を当て、王子幻想を持つ現代を討っていると言えます」

■パロディー短編も

 また近年、テキストを題材に取り込んだ小説も目立つ。丸谷才一『輝く日の宮』(03年)は「源氏物語」に欠落した1帖があったとする説を支持する女性国文学者が主人公。該博な知識を織り込みながら幻の巻の存在に迫る。

 清水義範『読み違え源氏物語』(07年)は連作短編集。原典の要素を利用しながら故意に大胆な解釈をほどこしたパロディーだ。「小説新潮」6月号は谷村志穂、小手鞠るいら女性作家6人が「葵」や「浮舟」を本歌取りして官能小説に仕立てている。

 「源氏」は今なお、作家の想像力を刺激してやまない。
by ginsuisen | 2008-08-10 11:14 | こんなことあんなこと
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