オリーブオイルは、スープにひとたらしで、香りやうまみがガラッと変わるのがわかる。
一番美味しいのは、パンを焼いて、オイルをかけて食べる方法だ。
ちょっとイタリアで出会ったパンの焼き方の真似をして、ガス火で直接焼いてみた。
イタリアの家には、暖炉やかまどのある家もある。特に農家ではそこに豆のつぼを置いて、
じっくり火を入れる。ズッパ・デ・ファジョーリだ。
パンも直火で焼く。香ばしさがトースターと断然違う。焦げたら、こそげ落せばいいのだ。
そこに絞りたてのオイルをかけて、食べるのだ。
以前にオリーブオイルの工場を何軒か訪ねたとき、どこの工場でも、パンにつけて食べさせてくれた。「うまいだろう」と社長たちがいずれも得心顔で。
美味しいオイルを買うと、そんな日を思い出して、ちょっとパンを焼いてみる。
オイルににんにくをちょっと入れると塩もいらない。にんにくで辛みを感じる。
このフランスパンは、葉山のボンジュールの。
でも、イタリアトスカーナのパンで食べたいなー。
トスカーナのパンは塩なし。しっかりと充実している。
もう一つ、オリーブオイルの思い出は、オレンジをきれいにカットして、
そこに並々とオリーブオイルをかけた前菜を食べたことだ。
フルーツにオイルなんて、日本人には考えられないが、彼らにはオリーブオイルは、
味を作る出汁であり、しょうゆなのだ。
それはそれは美味しい前菜だった。オレンジもイタリアのだから甘みも酸味もこくがあるのだから、日本で再現は別のものになってしまうかも。
カニーノというオリーブオイルのブランドが出来る、確かトゥスカニヤというエトルスキの歴史が残る、中世の名残のある小さな街のレストランだったと思う。