麻布の日本料理店「分とく山」の野崎洋光さんは、福島県石川郡古殿町出身です。
あの3・11以降、お店の休みをぬって、復興支援の炊き出しをしていました。
復興支援の数々はほとんど知られないところでなさっています。
こんど出版されたこの本も、その一環でもあるようで、一冊につき代金のうちの400円が復興支援の義援金になる仕組み。
内容は、日本の四季の根幹である二十四節気の折々の料理と自然の風景写真がちりばめられた構成になっていて、そこに野崎さん自身の少年時代の思い出や福島県の古殿町ならではの風習が語られている。おそらく、もう戻らないかもしれない東北の自然への愛が込められている。
これを見ていると、誰もが「あ~♪誰にも~♪故郷がある~♪」と五木ひろしの唄が浮かんでくる。
私はこうだったなー、家はこうだったな~と思い出すのではないだろうか。
さて、今の若い人たちにこの感覚があるだろうか。故郷はあるだろうか・・
残っている地方の文化を大事にしないと・・
誰にもそれぞれに二十四節気を持つことのできる日本人の四季ある暮らし。
忘れてならない、伝えていかねばならない、つなげていきたいと思わざるを得ない。
立春から始まり、都会人の知らない田植え時の「結い」の風習、野崎さんの故郷の簡素だが厳かさんおある正月、そして節分とめぐり、最終ページは、再び桜満開の春のページで終わる。
「春は再びめぐってくる~」そう、来年もまた次の年も、春がめぐってきてほしい。
3・11のあと、桜を見て、この桜が震災の人たちにも。。と思ったことを忘れたくない。
「つなげていきたい 野崎洋光の二十四節気の食」家の光協会刊
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