大好きな能楽鑑賞から料理まで、日常さまざまの記録
by ginsuisen
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能楽現在形 祭りのような3日間の能が終わった
今年の能楽現在形は、4月3日間同じ演目、あとは12月という・・
まあ、変則的というかマニアックな公演だ。
詳しくは、橋の会のHPに載っています。

なんだか終わって、もう何日もたっているのですが、やっとこ書けました。
相変わらず、書きなぐりです、ご容赦ください。

演目は望月
 これって、一度見たことがあるが、能的ではなく、とっても歌舞伎風というか文楽風の番組だとそのとき思った記憶がある。あまりのめりこめる番組でなかったなーの印象。

以前に見たのはいつだったかなーと思って調べたら、2000年の粟谷家の会でした。

初日 4月8日のシテは片山清司さん。
若い家来で、憤慨を体にこめた、背筋の伸びた美しい武者で、
世間ずれした宿屋の主人ではなかったです。
いつか敵討ちをと強い心を秘めた感じがせつないくらいの武者ぶり。
中正面の私に向かって、座る姿にばかり目がいってしまって・・橋掛かりでの母と息子のやりとりは、ついついのがしがちでした。
こちら見ている側としては、いつ、「討とう」の子方の声がかかるのかとか、鞨鼓を討つのは?獅子登場は?
めくら瞽女の杖を落とすのはどこで?などが気になり、はらはらどきどきでした。

獅子の装束は片山さんは長袴のまま。それだけに、やはり美しい!
ツレの安田の妻は梅若晋也さん。
シテの宿・甲屋に現れた、母子を見た、シテ・友房は、すぐにわかる。
(これは、かなりの親密かと解釈したのですが・・確か、事件が起きたときは、京にいたはず。それ以前から知っていたのに、妻は知らなかったということは、垣間見か・・なーんて)
そんな人知れずの恋慕を秘めているのではと思ってしまうほどに、
清司さんの友房には、思いが強く感じられました。
獅子になって現れた清司さんの装束・下は長袴のまま。
それでの獅子だったので、宴席での獅子舞なんだなーという、美しい獅子でした。
囃し方のすさまじさは、広忠君の獅子吼えのような声がひっぱります。
安宅の延年、石橋の獅子以上のような、激しさ。
敵討ちの雰囲気をどんどん作り上げていき、能楽堂にいるのを忘れさせるような・・
そして、見事敵を討ったあとの静けさとの対比もよかったなー。
この日の子方ちゃんも、立派でけなげ、敵を討ったときには、
見ているこちらも、よかった、よかった・・と思わず胸をなでおろしてしまいました。

それにしても、以前の感想同様に、非常に歌舞伎っぽかった感じの舞台で、
これも能なのかな~という印象でした。

この日、能に先立つ一調は、四郎さんの願書。
重い謡を支える大鼓は広忠君。この日の望月の前兆のような一調でした。
狂言小舞(狂言の場合、仕舞とはいわず、遠慮したような小舞という・・たいていは狂言の余興で謡われるもの。でも、ちゃんと起承転結の舞でもある)は、住吉。これ、難しいのです、確か。能の謡のような節回し(狂言の場合は、割とメリハリがあるが、能は、リズムの抑揚が長い)なのです。地頭は、もちろん万作先生で、深田、高野両弟子がついていくが、ちょっと??だったかなー。
舞は萬斎さん。これはもう住吉のやわらかい謡をよく飲み込んだ感じですばらしかった。

春・桜散るいい春の宵でした。

さて、実は2日目の11日(土曜)シテ・金井さん(宝生)は、用事があっていかれませんでした。
友人たちの話では、囃子も金井さんも思い切り、跳ねた、激しいかっこいい望月だったそうです。


3日目の14日(火曜)トリをつとめるのは、そう、我らが友枝さん。
能になるまでが待ち遠しいような時間でした。

一調 勧進帳
塩津さんに広忠君。いいわー、塩津さん、喜多流の静かで重い安宅が見えるような。
狂言小舞
萬斎さんの景清。うーん、ひさびさのカッコいい平家物語の一部分。
イヨッ!アクシチビョウエ景清!
でも~、やっぱり、萬斎さんは「見るべきものは見つ・」の知盛かな~・・なんて。
謡も石田さん率いた、強吟で、力強かったです。
さらにおまけは、喜多の重鎮。香川さんの鷺乱。幸弘君の金春さんの一調一管。
香川さんの鷺もきれいでしょうね~、きっとと思わせるような優雅な謡でした。
(あー、粟谷一家がいないなーと思ったら、広島の桃花祭で出られなかったみたい)

さてさて、友枝さんの望月の始まり、始まり・・




友枝さんの望月は、能でした。そんな言い方があっているのかどうかわかりませんが、
橋掛かりに出てきた友枝さんの友房の登場は、
厳かな中に、人生のあきらめ、そして今はしがない宿の主人の立場を心得た様子が伝わってくるようでした。
イヤ、その前の調べそのものが、安田の某を送る野辺送りのような哀しさを秘めていた気がしました。

ツレ・狩野了一さんには、長い旅の疲れとあてどないさびしさを感じさせます。
故郷の浅間の煙~信濃の国を遠く離れてきた、長い日々。
ときには、敵討ちをもうやめようと思ったこともあったのではと思わせるような。

信濃の国から来たと聞いて、驚いて、一歩後退する友房の一瞬の驚き。
「奥へ、御通り候え」という一言や、頭の下げ方に
そこから、上司の奥方に対する言葉と態度に変わった気がしました。

そして、「父に会いたる心地して~」という花若にもあくまでも家来の立場を超えていないのが、
なんとも武士らしさのあるケジメを感じる。

で、脇・森常さんはというと、苦渋の末の口論の結果の殺し合いになった・・という思いを感じるような武家社会の掟の辛さを胸に、やっと都で名跡を保つことげでき、故郷へ向かう、すこし安堵の様子が感じられます。
でも、供の間・萬斎さんには「苗字は言うな」ということに、どこかに敵討ちの影を感じている、悩める男を表現しての登場です。あれほど、神経を使って旅をしてきたのに、ちょっとそそっかしい間の油断で、敵討ちの泊まっている甲屋に宿を取ることになった不運。
おそらく、甲屋には、武士を受け入れるような雰囲気のある宿だったのかも。

そして、信濃の国望月の・・とうっかり名乗ったのを聞いたシテ・足を一歩上げて驚きます。
そう、友房は、望月の顔を知らなかったのですね。
長らく京勤めだったことがここであきらかになります(だから、やっぱり奥方の顔を知っているのは不思議。
幼馴染か、何かな?)。

ツレは、いかようにも計らいて、討ってほしいといいます。
いや~、近寄りがたく難しいというシテに、なおも命じます。
そして、思案の結果・・今、宿に流行っている盲瞽女になって・・と杖を渡します(このあたり友枝さんの場合はちょっと間があって、いかにも思案した感じをうけました。片山さんのときは、すらすらと進んだような)。
この杖も、片山さんのときは、着物の上に瞽女の肩衣を羽織って、後見から渡されたような気がしますが、
今回は衣装はそのまま、杖は友枝さんが直接渡しました。

瞽女となった母の袖をしっかりと花若がにぎります(これは片山さんのときも同じ)・・けなげですー。
シテは、扇を酒器に見立てて、望月の前に現れます。

曽我兄弟の謡が始まる~ツレと花若のせつない声の重なり合い。
父の敵・・「討とう!」という花若の言葉に、一瞬の静けさがありました。
 間がすかさず、反応、しかし、シテの動きはもっとすばやかった。
何を大げさ、鞨鼓を討つ意味なのだと説明するシテの言葉に納得以外ないほどの言葉

鞨鼓を打つことになった、花若。
花若の言葉で、獅子を舞うことになったシテ。
ツレはもう、このシテにすべてを任せて、場を去ります。
途中、杖は捨てずに、抱えます、そう、安心したように。
そして、杖について、周りのものに気づかれないように。
さて、ここまで、脇は気づいていなかったのでしょうか。
もう故郷への思いでいっぱいで、気が緩んでいたのでしょうか。
それとも曽我兄弟の話を聞いても動揺しない自分を認めたかったのか。

シテは、獅子の姿になるために退きます。
ここがすごかった!すー、すー、すすーすすすーと最後はすべって走るように幕に入ったのです!
(あとで、友人曰く、友枝さんは日ごろテニスが趣味と言ってらしたが、あの敏捷さはまさにテニス!だそう)。

そこからの花若の舞のかわいらしかったこと。舞台いっぱいのびのびと回っては鞨鼓を打つ。
源次郎さんも花若になったような打ち方で添える。
ピーひゃら、ヨーホレ、ヨーハッ、トントン、ピー、
正面から目付柱とぐるぐる2回周って、両手を挙げる。
ふたたび、廻って、「獅子団乱旋シシトラデンは時を知る」これが合図で、橋掛かりに向かい手をかかげると
獅子の登場だ。
ひたひたひたと。。もう獅子が一匹いるのだ。片山さんのときは、余興の獅子の魅力だったが、
友枝さんのは、獅子そのもの。緑色地の被をかぶって、白袴、赤頭の獅子。
したたかで、獲物を決して逃さない、野生の獅子だ、
力強く、ぐいぐいと、こぶしの前足で進む(山月記での万作先生の獅子を一瞬思い出す)。
頭をいやいやというように猫のように振る。

両手を広げて前にかがむ。
脇は扇を頭にあてて、すっかり寝た風。
にじりより2度ほど確かめるシテ。
ピーピー、トントン。。
この間、花若ちゃんはしっかり敵討ちの白鉢巻姿に・後見パパが介添えだ。
そして、あっという間に被のなかで、獅子頭を取って、鉢巻姿のシテ。
さあ、今だと、花若を支えるように、すごい速さで望月の前を後ろを囲む。
「何やつ・・」と聞いた望月は観念するしかありません。
無事敵討ちをしとげ、扇で見事あっぱれという型で、花若とともに互いをたたえる。

あー、あっぱれなあくまでも家来としての友房。
見事見事。

能における、こういう刃傷者はどうかすると、チャンバラになってしまうのに、
さすがに、友枝さんの場合は、その人の人生や舞台の奥行きを感じさせるものでした。
そして、能でした。歌舞伎や現代舞台でなく、能だったと思うのです。
その人の人生を感じさせてしまう友枝さんはやはりスゴイ。
見ていられた幸せを改めて感じました。

囃子も源次郎さんの小鼓は静かで落ち着きを感じました。
広忠君も幸弘君も、間の萬斎さんもすべて、尊敬するシテの感情と動きに合わせた、
落ち着きのある、静かな重みを秘めた舞台だったと思いました。


この日、帰りは大雨になりました。
でも、春雨。いいお能のあとは、大満足の気分で帰宅でした。
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by ginsuisen | 2009-04-21 15:50 | 感激・舞台
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