料理の本は、実用書なので、一度絶版になると手に入りません。
その中でも稀有なのが、この本、
佐藤雅子著「私の保存食ノート」です。
あの(どの?・・)文化出版局がめずらしく、復刊した料理書。
かつての人事院総裁佐藤達夫夫人だ。
確か、読売新聞に連載していたものをまとめた「季節のうた」もある(これは私も古本屋で購入)。
ファンが多く、初めに出版した本の新装版として1990年に復刊したらしいが、今はまた在庫切れ。
なんと、アマゾンでは4800円の値がついている!
春のいちごのシロップから、夏みかんのマーマレード、皮の砂糖煮、ふきのきゃらぶき、
夏は、青梅のしょうちゅう漬け、しょうがじょうゆ、奈良漬け、
秋は、なすの砂利つけ、トマトピューレー、いわしの酢油づけ、フルーツケーキ、ビーツとゆで卵の甘酢づけ、
冬は、べったらづけ、だいだい酢、レバーのしょうゆづけ、レバーペースト、甘酒、などなど・・
下の記事の夏みかんの皮の砂糖煮もこの本がお手本です。
このほか、おしゅうとめさんのノートの書き込みがまたいい。
「菓子概則
一菓子をこしらえるまえに、すべての原料を備えおくべし
一菓子をこしらうまえに焼きなべに油をひくべし
一菓子をこしらうまえにオブンを火にかくべし
一菓子に用うる卵の白身はかきたてるのち、時を移すべからず・・
・・・・・・・」
正に、正になのです。
それから、しょうがの皮をとっておいて、煮物に入れるなど、きちんと生活してきた人が、
かくあるべき、エコだ、なんだなどでない、知恵がいっぱい書いてあります。
ご主人には毎日、どこでも車でも会議の合間でも食べられるように、
サンドイッチのお弁当を持たせたという。
ドイツ在住でのお話やご主人からのメッセージもいい。
こういう料理書は本当に素晴らしい。
命の○○だなんて大げさでないのがいいですねー。